「清流の国ぎふ」づくり自然共生写真コンテスト PHOTO CONTEST

令和7年度 岐阜県自然共生工法写真コンテスト 入賞作品

一般の方からの投票と審査員による審査の結果、下記の6作品が令和7年度入賞作品に選ばれました。

最優秀賞

1_最優秀賞_上野公彦_NO24_盛夏の円原川.jpg

入賞者

上野 公彦 氏 

審査員コメント

武儀川水系神崎川支川円原川は水が極めてきれいで、川沿いに点在するやや開けた土地には古くから人びとの暮らしがあったとみられ、その中心集落を貫流する川の夏の情景の美しい写真は、山間の地質・地形と降水の自然条件に沿って、大規模に川に手を加えることなく、生活の場に不可欠の人工構造物を周囲の自然環境に融和させて、自然と共生する生活を成り立たせてきた地域の姿を彷彿とさせています。

最優秀賞

2_最優秀賞_河村一輝_NO17_谷あいの共生.jpg

入賞者

河村 一輝 氏

審査員コメント

成功例が多数見られる養老山系から山脚部の扇状地群に至る一帯の治山・砂防工事の一つで、山間の名勝養老の滝から流れ下る急流を制御している自然石の落差工と流路工が周辺の自然環境に溶け込むような緑溢れる写真で、遠景の谷間と近景の谷間とが一連で調和を感じる絶妙の構図です。流路は三面張りながらその機能美が際立ち、手前の階段などに親水性の考慮も見え、ゆっくり歩いてみたい景色です。

優秀賞

3_優秀賞_大日コンサル(塚本睦)_NO20_嘴一閃.jpg

入賞者

大日コンサルタント(株) <塚本 睦 氏>

審査員コメント

根尾川には種々のタイプの魚道が設置され水生動物の移動を支えています。そのうちの斜路式植石魚道を移動する魚をアオサギが捕食した一瞬を捉えた写真は、躍動感のある流れにも焦点が合い、まるで時間が止まったかのように食物連鎖で繋がる生態系の一コマを切り取り、自然共生工法の一つである魚道の機能を示し、構造物全体と周辺環境との調和もさることながら、根尾川の豊かさを象徴しています。

佳作

4_佳作_松井智一_NO2_池田町の誇り.jpg

入賞者

松井 智一 氏

審査員コメント

朝日を受けた桜が背後の雲一つない青空と山に映え、時間の経過した構造物とも馴染んだバランスが絶妙の美しい写真です。だがそれだけに、流路工という急流の砂防構造物本来の役割を果たしている面が霞むおそれも感じられ、自然の力を真に活かした防災の追求という古くからの課題からも、少し下がった位置からの撮影で、急峻な山間渓流の出水時の厳しさがより想像し易かったらなお良かったです。

佳作

5_佳作_古田清_NO11_自然環境との調和.jpg

入賞者

古田 清 氏

審査員コメント

凹凸に富んだ岩盤が適度に露出しているため、一部に人工感が残るのは否めないものの、ほとんどの石組みが横一列にならずに清流長良川らしい景観と河床の安定を維持していて、説明がなければ人工物であると気づかないほどです。逆に効果がわかりづらく、インパクトの弱い写真となっていますが、施工が困難であった岩盤河床にもかかわらず、出水によく耐えてきていることは大いに評価できます。

佳作

6_佳作_横山天_NO10_多種魚類に適した小わざ魚道.JPG

入賞者

横山 天 氏

審査員コメント

俯瞰的構図でないため、十分大規模な構造物で「小わざ」が何を指しているのかが見えてきませんし、下段魚道を扇型にすることは理解できますが、上段まで同構造にする必要があったのかは疑問です。元来遡上経路の選択肢を増やすため、棚田式魚道などでも多様な流速や水深を生させる工夫がされています。「浅い小プール」のみだと外敵から隠れ逃れる場所は少なくなり、大型魚は登りにくいのでは。

応募全作品(審査員コメント入り)

R7応募作品